- ステップ1:会社の「成績表」と「持ち物リスト」を完成させる
- 会社の通知表「損益計算書(PL)」で今年の成績を把握する
- 会社の持ち物リスト「貸借対照表(BS)」で今の財産と借金を確認する
- ステップ2:税務署ルールで「税金計算シート」を作成する
- 会計上の利益を税務上の所得に調整する「別表4(税務調整)」
- 最終的な法人税額を決める「別表1(答えの紙)」
- 会計と税務のズレを整理する「別表5(1)(2)(メモ帳)」
- 過去の赤字を未来の節税に活かす「別表7(赤字の貯金箱)」
- ステップ3:国税・地方税を「納付&申告」して決算を完了させる
- 法人税(国税)の納付と申告手続き
- 法人住民税・事業税(地方税)の計算・納付・申告手続き
- 最終的な申告書と添付書類の確認・提出
- 本記事の超シンプル3ステップ
「法人決算って、税理士に頼まないと無理?」そう思っていませんか?実は、本質さえ掴めば法人決算は驚くほどシンプルです。多くの書類や複雑な用語に圧倒されがちですが、その核は「会社の数字を整理し、税務署が見やすい形に整える」こと。このガイドでは、法人決算を自分で完結させるための「超シンプル3ステップ」を、完全初心者向けに徹底解説。迷わず、安心して決算を乗り切るための最短ルートをお届けします。
ステップ1:会社の「成績表」と「持ち物リスト」を完成させる
法人決算の第一歩は、会社の「1年間の成績表(PL)」と「現在の持ち物リスト(BS)」を明確にすること。この土台を築くことが、税務申告の鍵です。
会社の通知表「損益計算書(PL)」で今年の成績を把握する
PLは、会社が1年間でどれだけ稼ぎ、費用を使ったかを示す「通知表」。
- 売上
- 経費
- 利益 or 赤字
このPLの最終利益(当期純利益または当期純損失)が、法人決算のスタート地点です。ここが正確なら、決算作業の半分は終わったも同然です。
会社の持ち物リスト「貸借対照表(BS)」で今の財産と借金を確認する
BSは、「今日現在の会社の持ち物(資産)、借金(負債)、純資産」を一覧にしたリスト。
- 銀行預金
- 売掛金・買掛金
- 未払法人税等
- 繰越利益剰余金
重要なのは、PLの最終利益がBSの「繰越利益剰余金」にそのまま反映される点。この連携が正確なら、法人決算は80%クリアです。
ステップ2:税務署ルールで「税金計算シート」を作成する
PLとBS完成後、次に「税務署のルール」に合わせて税金を計算します。「別表」は複雑に見えますが、その本質は情報を「整理し、書き写しているだけ」です。
会計上の利益を税務上の所得に調整する「別表4(税務調整)」
PLの「会計上の利益」を「税務上の所得」に調整するのが別表4。
- 加算:税務上認められない費用を利益に加算
- 減算:税務上認められる調整があれば利益から減算
この調整で決まる「税金計算の土台となる所得」が別表1のスタート地点です。
最終的な法人税額を決める「別表1(答えの紙)」
別表1は、国に納めるべき「法人税額」を記載する“答えの紙”。別表4の所得を転記し、税率をかけることで法人税額が確定します。
- 所得がプラスなら法人税が発生。
- 所得がマイナス(赤字)なら、基本的に法人税は0円です(地方税の一部は発生)。
会計と税務のズレを整理する「別表5(1)(2)(メモ帳)」
会計と税務の細かな「ズレ」を整理し記録するのが別表5(1)と(2)。
別表5(1):利益の動きを整理するメモ
会社の利益推移を整理し、純資産の変動を明確にします。
別表5(2):税金のお財布の動きを整理するメモ
納めるべき税金のお財布の動きを整理し、BSの未払法人税等と一致させます。決算全体の整合性を保つ「裏表紙」のような役割です。
過去の赤字を未来の節税に活かす「別表7(赤字の貯金箱)」
赤字は「翌年以降に使える節税券」として、最大10年間繰り越せます(欠損金の繰越控除)。この「赤字の貯金箱」を管理するのが別表7です。
- 去年の赤字
- 今年の赤字
- 来年に持っていく赤字
別表7の正確な作成・管理は、将来的な税負担軽減に直結します。赤字の年は特に重要です。
ステップ3:国税・地方税を「納付&申告」して決算を完了させる
算出した税金を国や地方自治体に納め、必要書類を提出すれば決算プロセスは完了です。これは、会社の法的義務を果たす重要な締めくくりとなります。
法人税(国税)の納付と申告手続き
別表1で確定した法人税は「国税」にあたり、税務署に申告・納付します。e-Taxや郵送などの方法で、期限内に確実に納付しましょう(延滞税に注意)。
法人住民税・事業税(地方税)の計算・納付・申告手続き
国税とは別に、地方自治体にも「法人住民税」と「法人事業税」を納めます。これらは国税の法人税申告書の結果をもとに計算されます。
地方税の申告書には、以下の国税申告書(写し)を添付します。
- 別表1, 4, 5(1)(2)
- 損益計算書(PL), 貸借対照表(BS)
- 別表7(赤字の年のみ)
これらを地方税の申告書に添付し、都道府県税事務所等へ提出・納付すれば完了です。
最終的な申告書と添付書類の確認・提出
全書類が揃ったら、転記ミスや添付漏れがないか最終確認を。間違いは修正申告の手間を増やします。準備が整い次第、国税は税務署へ、地方税は所轄の税事務所・役場へ、期限内に提出・納付を完了させてください。これで法人決算は無事完了です。
法人決算は複雑に見えても、その本質は「3つの数字の整理整頓」に集約されます。
本記事の超シンプル3ステップ
- ステップ1:会社の成績と財産を把握(PLとBS)
今年の利益・赤字(PL)が会社の財産(BSの繰越利益剰余金)に繋がることを理解すれば、決算の8割は完了。 - ステップ2:税務署ルールで税金を計算(各種別表)
会計上の利益を税務ルールに調整し(別表4)、税額を確定(別表1)。別表は情報を整理・転記する紙と捉え、赤字なら別表7で管理。 - ステップ3:国税・地方税を納付&申告して完了
算出した税金を期限内に納め、必要な書類を提出。国税の結果が地方税にも影響することを覚えておけばスムーズです。
このシンプル手順で、税理士なしでも法人決算を自信を持って完結できます。自らの手で会社の財務を管理し、盤石な経営基盤を築きましょう。
